自閉症で言葉を話せない支援級1年生のたろうが通う小学校は
助け合いの心を大事にしている。
そのため、支援級の子も比較的普通級に混ざって
インクルーシブに一緒に活動することが多い。
全校生徒数が多く、支援級在籍の子も必然的に多くなることから
支援級の子が普通級と支援級を行き来することは他の生徒にとっても
日常的に目にする光景であり、
学校はイジメ対策や、普通級の子の支援級理解にも力を入れている印象である。

たろうが4月に入学してから
たろうのクラスではたろうに関わる2つの出来事があった。
1つ目は1学期に起きたこと。
たろうは上手く話せないため、
母音とイントネーションで伝えたり、
声の抑揚でコミュニケーションを取ることがある。
それをみて、普通級の子がたろうの話し方の真似をし始めたのだ。
(このこと自体は保育園の頃からもあったし、子どもであれば
普通と違う珍しいものに関して悪気なく真似することはあるものだと思っており、
母は気にしてはいない)
担任の先生が「誰でも得意なこと、苦手なことはあります。
苦手なことをそうやってからかうのはよくありません」と
クラス全体に向けて発信をしたという報告を後日受けた。
個人のことをクラス全体の前で叱られてしまったその子は可哀想だなと思うが、
しっかりと小さいうちからイジメの芽を生み出さないという教育を
されているのだなと関心した。
2つ目は2学期になり、最近起きたこと。
プリントを前の席から受け取り、後ろの席に回すというよくある
学校での動作に関して。
たろうがぼーっとしていたのか、聞いていなかったのか
後ろの子にプリントを回さなかったらしい。
気付いた隣のA子ちゃんが、
たろうの代わりに後ろのB男くんにプリントを渡そうとしたが、
B男くんもたまたま席についていなかったらしく、
A子ちゃんは気を利かせて、
たろうの後ろの後ろの子(C君)にプリントを配ってくれたらしい。
B男くんが戻ってきてA子ちゃんに一言
「障がい者じゃないんだから、自分でできるよ!!」
と発言したらしい。
それを聞いたサポートの先生がB男くんの言い方を注意し、
このこともクラス全体で担任の先生が話をすることになったという。
そしてB男くんのご家庭にお電話もされたという。
たろう本人は、おそらく自分が「障がい者」という認識はない。
家で親が本人に話すこともない。
だから、B男くんの発言に傷ついてはいないと思う。
学校はしっかり対応してくれたと思う。
ただ、B男くん、および保護者の方がどう思ったんだろうか。
単純に「言い方悪かったな」と思ったのか、
「みんなの前で怒られた、それくらいで騒がれた。迷惑かかっているのは事実なのに」
って逆恨みすることもあるんじゃないかなってちょっと不安になる母。
障がいをもつ子の親になっても、
インクルーシブの理想的な姿、あり方について
まだまだわからないことが多い。
インクルーシブに関して、とある先輩ママさんのお話。
学校の音楽発表会での出来事。
演奏でタイミングに合わせて楽器をならせなかったDちゃん。
先生が目の前で手で合図をして、その合図を元にしてDちゃんは楽器を叩いたそう。
Dちゃんママは、本来はこれはインクルーシブだと思わない、という。
普通の子と同じようにできるように無理くり支援するのではなく、
障がいを持つ子がその子らしくいられる環境を作ることがインクルーシブだと。
私はDちゃんの発表会の様子を見ていないから、全容はわからない。
話を聞く限りでは先生の支援の仕方は必ずしも間違っていないとは思う。
ただ、Dちゃんが無理やり苦手なことをやらされているような環境
だったのかもしれない。
そしてその姿を見て違和感があったのかもしれない。
支援を必要とする子が、どこまでいわゆる普通とされる子に合わせるべきなのか。
とても難しい問題だと思う。
日本と海外でも考え方が違っていることを思うと、
必ずしも、日本のようにみんなが同じことを同じようにできなくても
本来いいのではないかなと
たろうの母になって思ったりする。
まぁ、他と違うといっても迷惑をかけない程度にではあるのだけれど💦
Dちゃんママが言っていたのは下の図のように、
見えるための台を用意するのではなく、
そもそもハンディーキャップが生まれにくい環境を準備してほしい、
ってことなのではないかなと思った。
全てにおいて環境を準備するのは不可能だとは思うのだが、
今後たろうの親として考えたい問題ではある。

※放デイサービスTEENSさんのHPより引用