自閉症たろうはダンスが苦手?!
自閉症で言葉を話せない支援級1年生のたろうはもうすぐ運動会★
運動会で発表するダンス練習の様子を先生が報告してくれた。

「たろうくん、全然踊ろうとしません。」
「(先生が)手を掴んで動かそうとしても全く力が入っておらず
だらんとしています」
「すぐに集中力が切れてしまいます」
入学してまだ1ヶ月しか経っておらず
先生との信頼関係もできていなかった。そんなときの報告だった。
母「たろうは人の真似をするのが苦手だし、慣れていない先生の指導だし、
やりたくないのかな」などやる気の問題と思っていた。
それから2週間くらいが経ち、先生と話したときに
「たろうくん、音楽に合わせて動けています」
「上手くなってきました」
と。

!!!!
何が起こったのか・・・・。
考えてみると、たろうは自閉症によくある以下の特徴があった。
・意味がわからない、理解できないことはしたくない
・新しいことにチャレンジすることが苦手
・意味ややり方を理解するとやっとやる気が出る
そうか!!
きっとたろうは何回も練習するうちにダンスの音楽を覚え
周りの子が踊っている様子を見て、こうやるのかと覚え
じゃあやってみよう、と踊り始めたのだ。
初めの頃、踊ろうとしなかったのは
やる気がなかったのではなく、周りを見ていたのだ!!
相談員さんにこのことをお話したときに、
「たろうくんは見て学んでから行動するのね」
といっていた。
こうやるんだよと言われてすぐに真似できる子もいる。
しかし、たろうはまず見るのだ。
周りからはやる気がない、踊らずにふざけていると思われるかもしれない。
本人も一見ヘラヘラしているかもしれない。
だけれども、ヘラヘラしているようで
耳で音楽を聞いて、目で周囲の子のダンスの様子を見て観察していた。
一通りわかるようになって、ようやく行動に移せたのだ。
以前にも療育の先生に言われたことがある。
サーキット(運動課題)に挑戦せずに母の近くに来てヘラヘラ遊んでいた。
母は「ほらスタートのほうに行ってサーキットやってごらん」と必死になったものだ。
その後のフィードバックで療育の先生が
「たろうくんは部屋に入ってきて、まずお母さんのところに駆け寄りました。
その後、部屋を見回してサーキット(運動課題)は何なのか一通り観察していました。
それから少し落ち着いてからスタート地点に戻り課題に取り組み始めました」
たろうくんはちゃんと周りが見えています。
しっかりと観察して自分のやるべきことをその場で理解し、
行動に移せました。
そうか。母もちゃんとたろうの特性を理解しきれていなかった。
初めての事はまず観察してから行動に移す
これがたろうのやり方。
その過程でやる気がないように見えたりするが
決してやる気がないのではないということ。
行動に移せるまで少し時間がかかるということ。
たろうは見る人によって全く異なる解釈をされがちな子だ。
話せないから余計に誤解されやすい。
だからこそ、「今は観察しているタイミングだ」ということを
たろうに関わる人たちに伝えていかねば、と思った。